吉本興業芸人の「闇営業」 低いモラル、企業統治のあり方に疑問も

 新たに所属芸人と暴力団との接点が明らかになった吉本興業。芸人たちのモラルの低さが露呈するとともに、専門家からは同社の姿勢を問う声も上がる。

 同社では平成23年、所属タレントだった島田紳助さんが暴力団関係者との交際で芸能界を引退。反社会的勢力と関わらないよう、定期的に研修やマネジャーらによる聞き取り調査などを行ってきた。

 だが、暴力団や反社会的勢力に詳しい作家の溝口敦さんは「所属芸人たちに暴力団や反社会的勢力とは何かという基礎的な知識が足りていないのではないか」と疑問視する。

 「反社会的勢力にとって、有名人を宴席に呼ぶことは“ステータス”で世間の信用にもなる」と話すのは演芸評論家の相羽秋夫さん。「タレントにとっても会社を通さない闇営業は実入りがいい。そこに釣られる意志の弱さも問題だ」と指摘する。

 企業コンプライアンスに詳しい疋田淳弁護士(大阪弁護士会)は、過去に吉本興業の経営幹部が公の場で島田さんの復帰を望む発言をしたことなどを挙げ、「反社会的勢力は国民の敵。国民の責務として対峙しなければならないことを会社が分かっておらず、どんな研修をしても意味がない」と企業姿勢を批判する。会社の仕事だけでは食べていけない芸人もおり、「反社会的勢力がそこにすり寄ってくる。管理が行き届かないほど多くのタレントを囲い込むビジネスモデルを見直さない限り、今後も同様の問題はなくならないだろう」と警鐘を鳴らした。

一連の不祥事の経緯

◎6月6日

 吉本興業所属の宮迫博之さん、田村亮さんら4人が平成26年12月、反社会勢力が主催する会合に事務所を通さず参加していたことが7日発売の写真週刊誌「FRIDAY」の報道で判明。吉本興業は参加タレントに厳重注意、仲介した入江慎也さんについては4日付で契約解消したと発表。参加タレントらは、会合が反社会勢力主催との認識はなかったとし、金銭の受領を否定

◎同19日

 NHKが参加タレントの出演番組2本の放送取りやめを発表

◎同24日

 吉本興業が、会合参加による金銭の受領があったとして宮迫さんら11人を当面の謹慎処分にしたと発表。ワタナベエンターテインメントも、同じ会合に参加、金銭の受領があったとして「ザブングル」の2人を謹慎処分に

◎同27日

 吉本興業が、28年に反社会勢力主催の会合に参加、主催者から直接金銭を受領したとして「スリムクラブ」ら4人を無期限謹慎処分に。同社はコンプライアンスの徹底と反社会勢力の排除に関する決意表明を発表

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