WHO「ゲーム障害」にネット反発 「何にでも当てはまる」「働き過ぎすぎこそ危険」

 世界保健機関(WHO)がオンラインゲームやビデオゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」を依存症と認定したことが波紋を呼んでいる。ネットユーザーは「ゲームを悪者にしないで」と反発。業界団体は「ゲーム障害」の調査と研究に取り組む動きを見せている。

 5月25日、スイス・ジュネーブで開催されたWHO総会で2022年1月発効の「国際疾病分類」最新版が承認された。WHOはスマートフォンの普及でゲーム依存が世界的に広がっているのを背景に「ゲーム障害」を新たな依存症に認定。ゲームをしたい衝動を抑えられない、日常生活よりゲームを優先する、健康や社会的信用を損なう問題が起きても続けてしまうなどの“症状”が12カ月続いている場合に診断できると定義した。

 昨年からゲームのやり過ぎと、その悪影響を病気とするかどうかで議論が続いていたが、決着が着く形になった。これに対しネットユーザーからゲーム以外にも当てはまると反発が相次いでいる。ツイッターでは「ゲームを労働、仕事に置き換えても同じだ」と日本人の働きすぎを皮肉る声もあがった。一方、1~2週間で順位を競ったり、獲得ポイントに応じて報酬を得たりするソーシャルゲームの期間限定イベントが依存を助長しているとする意見も出ている。

 国内外の業界団体も対応を迫られた。日本のコンピュータエンターテインメント協会(CESA)など4団体は5月23日付でゲーム障害に関する取り組みを発表した。「公正中立で専門性を持つ外部有識者による研究会」に調査研究の企画や取りまとめを委託するという。

 海外では世界最大級のゲーム見本市「E3」を主催する米国のエンターテインメントソフトウェア協会(ESA)と、ベルギー・ブリュッセルに拠点を置く欧州インタラクティブ・ソフトウェア連盟(ISFE)がそれぞれのポームページでWHOに再検討を要請するという、より強い行動に出ている。「ゲーム障害」が依存症に認定されたとはいえ、国際疾病分類の最新版が効力を発揮する2022年1月までもう一波乱ありそうだ。

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