こまつ座公演「木の上の軍隊」19日まで 「戦争と人間」の愚かさ描く

 先の大戦が終わって74年。終戦の年(昭和20年)は、3月に東京大空襲、硫黄島の戦いが終結。そして、沖縄戦が始まり、6月末に日本軍の組織的戦闘が終わるまで、おびただしい犠牲を出しながら日本は悲劇的な結末を迎える。

 こまつ座の「木の上の軍隊」が、この時期に合わせ、紀伊國屋サザンシアター(東京都渋谷区)で3年ぶりに再演されている。

 沖縄らしき島を舞台に、戦争が終わったのも知らずに、2年間も大きな木の上に籠もり続ける「上官(山西惇)」と「新兵(松下洸平)」の2人による悲劇的かつユーモラスなやりとりを描く。「父と暮らせば」「母と暮らせば」と合わせて、「戦後“命”の三部作」に数えられる作品だ。

 平成25年の初演から本土出身の「上官」を演じてきた山西の凄(すご)みが光っている。軍人としての矜恃(きょうじ)と人間の欲望の間で揺れ動きながらも、そんな自分の姿を許すことができない。彼の姿は戦争という悲惨な行為を繰り返し続ける人間の愚かさの具現なのであろう。

 さりとて、メッセージ色が強い芝居ではない。ゆったりとした沖縄の風に笑いとペーソス。エンターテインメントとしても楽しめる芝居だ。(喜多由浩)

 (19日まで)以後、沖縄(6月)、九州各地(7月)で上演予定。

 問い合わせは、電話03・3862・5941こまつ座。

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