戦艦大和に製造室もあったラムネを再現、特産品に認定

 5月4日は「ラムネの日」。ラムネは戦時中に旧海軍にも愛され、戦艦「大和(やまと)」でも作られていたとみられている。そんな当時の味を再現しようと試みたのが、大和を建造した場所で日本を代表する軍港があった広島県呉市にある食料品製造販売「中元本店」。同社によると、初代社長が旧海軍にラムネの製法を伝授していたというから、再現力は本物だ。当時を再現したその「大和ラムネ」は今年4月、広島市が優れた地元の特産品を全国にPRする「ザ・広島ブランド」に認定された。(嶋田知加子)

戦艦の消火設備を転用

 「大和ラムネ」を製造する中元本店は大正14(1925)年創業。当時からラムネを作ってきたといい、地元で長年親しまれてきた。夏祭りや盆踊り大会の人気メニューで、中元順一朗社長(48)は「大会が終わると、父や工場長が夜の街のあちこちに捨てられたラムネの瓶を探しに歩き回っていたと聞いています」と話す。

 そして、このラムネの製法を旧海軍に伝えたとされるのが、初代社長で中元社長の曽祖父、庸(いさお)さん(故人)。同社によると、昭和16年に世界最大の戦艦として竣工された大和はもちろん、旧海軍の大きな戦艦にはラムネ製造室が備わっていたという。艦内に消火設備として二酸化炭素の発生装置が設置されており、これを転用することでラムネを製造できたという。

 「旧海軍への伝授は曽祖父の誇りでした」と中元社長。「戦後、旧海軍のお偉いさんが家を訪ねてきたことがあったそうです。家族は普通に対面しましたが、おじいさんは恐縮してふすま越しに話したとか…」。

元工場長は戦艦乗組員

 戦艦内で作られていたラムネを再現するきっかけは平成17年の「大和ミュージアム」のオープンだった。再現の中心となった一人が、元工場長で中元社長の祖母の兄にあたる平野偉基(ひでき)さん(故人)。大和にこそ乗らなかったが、旧海軍でその他の戦艦や潜水艦の乗組員となり、艦内で製造されたラムネを愛飲していたという。

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