見た目そのままで柔らかいお肉を…高齢者に優しい調理家電 移動サポートするロボットも

 介護の負担を軽減する家電やロボットに注目が集まっている。京都市の家電ベンチャーは肉料理などを高齢者らでも食べやすくする家電を開発。愛知県のロボットメーカーでは、ベッドからトイレなどへの移乗をサポートするロボットの販売が好調だ。少子高齢化や新型コロナウイルスの感染拡大で介護現場の負担が増しており、こうした製品の市場は拡大が予測される。(山本考志)

歯茎でつぶせる

 家電ベンチャー「ギフモ」(京都市下京区)は昨年7月、加齢や障害で歯を失ったり、飲み込む力が弱まったりした人でも食事をしやすくする調理家電「デリソフター」(税別4万3千円)を発売した。

 72枚の細長い刃が付いた剣山のような器具で食品に隠し包丁を入れ、デリソフターで20分程度、高温で加圧。見た目や風味は残しながら舌や歯茎でつぶせるほどの柔らかさにする。

 対応する食品はステーキなどの肉料理や魚料理、温野菜など100品以上。から揚げは衣にとろみがつき飲みこみやすさが増す。高齢者らが家族と同じものを食べられるのが魅力で、購入した総菜もそのまま柔らかくでき、別に介護食を用意する手間も減る。

 製品を企画したのはパナソニックの工場で勤務していた小川恵さん(50)。父親が嚥(えん)下(げ)障害で食べられるものが減り、悩みを相談した同僚の水野時枝さん(56)と製品のアイデアを社内コンテストに応募した。当時は商品化には至らなかったが、その後も技術者らとサークルを立ち上げ、同社の電気圧力釜を改良。同社が出資する投資ファンドの支援を受けてギフモを設立し、約4年をかけて発売にこぎつけた。

 昨年度は生産した約500台を完売。今年6月からは供給体制を強化し、今年度は5千台の販売を目指しており、小川さんは「製品を待っている人がたくさんいる。介護の中でも食べる喜びを感じてもらい、食事をつくる側の大変さも解消したい」と意気込む。

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