バイデン氏の対中軟弱疑念消えず 香港市場でドル資金集め放題では中国を封じ込められるはずはない

【お金は知っている】

 先の日米首脳共同声明は、膨張する中国を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」形成をうたい、「国際協調」が好きな日本のメディアを喜ばせたが、拙論はオバマ政権の対中軟弱外交の再来だと懸念する。バイデン氏が副大統領だったオバマ政権は、習近平政権の無法行為を放置した。

 習氏は3年前に確定した国家主席無期限化に続き、来年秋に到来する党総書記の任期2期10年の撤廃をもくろんでいる。「国家主席」は英語では「president(大統領)」となり、日本のメディアはいかにも最高権力者の座を示すかのように報じるが、とんでもない間違いである。中国で最高権力者を意味するのはあくまでも共産党総書記である。総書記ではない国家主席は名ばかりの国家元首に過ぎなくなる。

 そこで、習氏は終身独裁者の座を正当化するため、着々と実績作りにいそしんできた。東シナ海、南シナ海を含む海洋権益の拡張、国際金融センター香港の自治剥奪、チベット、モンゴル、新疆ウイグル自治区の漢族化、そして「一帯一路」の大義のもとでのユーラシア大陸全域の中華経済圏化は、全て総書記永久化のためだろう。

 そして台湾への侵攻と併合は総仕上げとなる。頻発する中国軍や公船による領空、領海侵犯からみて台湾や尖閣諸島の危機は今、目の前にある。この恐るべき習氏の野望をくじくのに、外交上のレトリックや形だけの制裁が有効であるはずはない。

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