LINEに代わるサービスはあるのか 個人情報は「韓国でデータ保管」 識者「他に多機能サービス存在せず1強状態」

 利用者の個人情報が中国から閲覧可能だったとして、政府の個人情報保護委員会の立ち入り調査を受けたLINE。問題発覚を受けて個人情報の取り扱い方針を示すプライバシーポリシーを改定、「韓国でのパーソナルデータの保管」を明記した。ユーザーは利用を続けるか判断を迫られるが、代わりになるアプリやサービスはあるのか。専門家の見解を聞いた。

 LINEは3月31日に改定したプライバシーポリシーで、日本の利用者のパーソナルデータの保管場所について「日本および韓国のデータセンターで保管している」と明らかにした。開発・運用に関する業務で、韓国やベトナムにパーソナルデータを移転したり、従業員がアクセスする可能性があるともしている。以前は国名を明記していなかった。

 LINEは、すでに中国からのアクセスを完全遮断したほか、韓国に保管されていた画像などのデータを6月までに国内に移転する方針を明らかにしたが、それまでは個人情報が韓国にあるという状態が続く。

 国内における利用者数が約8600万人のLINEの機能は、無料通話やメッセンジャーにとどまらず、電子決済やニュース配信、投資、ショッピング、ゲームなど多方面に及ぶ。

 ITジャーナリストの三上洋氏は「国内ではLINEほど多機能に利用できるサービスは存在せず、1強状態だった。多機能である点を考慮すれば、現段階で代わりとなるサービスはないといっていい」と語る。

 ITジャーナリストの高橋暁子氏も、「LINEが国内サーバーに移転することなどから、今後セキュリティーが守られる可能性は高い」とする。その上で代替サービスについて、メッセージ機能に限ると、日本企業が開発した“純国産”のコミュニケーションツール「chatwork(チャットワーク)」や、個人情報保護を徹底している米フェイスブックやインスタグラムのダイレクトメッセージ機能があるという。

 事態を重くみた総務省は、業務に関わる情報をLINEでやりとりしないよう職員に注意喚起した。LINEを利用したサービスを停止する地方自治体も相次いでいる。

 前出の三上氏は「日本政府は行政のデジタル化に力を入れるが、キーとなる国民と国をつなぐ手段としてLINEがあった。今後政府による監督とLINEのインフラとしての責任が重要になるだろう」と話す。

 前出の高橋氏は「LINEの利用者は膨大で、時間やコストを考えてもほかのサービスが台頭することは難しい。そのため政府や自治体はLINEがセキュリティーをこれまで以上に強化することを待って、利用することになるだろう」と指摘した。

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