F1撤退決めたホンダの裏事情 世界EVシフトでガソリンエンジン開発の意義低下

 9月には、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)との提携を拡大し、主力の北米市場で車台やエンジン、電動車向けモーターなどの共通化に向けた検討を始めると発表。宗一郎氏による創業以来、独自技術へのこだわりから「自前主義」を貫いてきたホンダが、基幹部品であるエンジンの共用化にまで踏み込んだことは業界関係者に驚きを持って迎えられた。

 GMとの提携拡大についてホンダの倉石誠司副社長は「北米で大幅なコスト効率の向上が実現可能になる」とのコメントを発表。オンラインで記者会見したホンダ幹部も「グローバルで生き残るためにはコスト競争力をつけ、(先進技術への)投資に回す必要がある」と強調した。

 世界最大の自動車市場である中国でも自動車に関する環境規制の強化が進む。中国政府は25年までに、新エネルギー車(NEV)の新車販売台数に占める比率を25%に引き上げる政策を発表。9月26日~10月5日に開催された北京国際モーターショーでは各社が相次ぎNEVを投入、ホンダもEVのコンセプトカーを初公開した。SUVで、量産化後は中国のほか、世界販売も視野に入れる。

 ホンダのF1参戦は宗一郎氏の強い意向だったとされる。それだけに、社内ではF1参戦の継続を望む声もあったというが、八郷社長は「技術者のリソース(経営資源)を環境に傾けるべきだと判断した」と説明。「昨年の1年延長を決めたときからいろいろなことを考えてきた」といい、「(撤退は)コロナの影響ではない」と語った。

 ホンダは宗一郎氏が社長時代の1964年にF1に初参戦。その後、撤退と参戦を繰り返し、08年にはリーマン・ショックによる業績悪化のため第3期の活動を終えた。

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