9月月例経済報告 基調判断「持ち直し」据え置き 個人消費、夏場の鈍化で下方修正

 政府は24日発表した9月の月例経済報告で、国内景気について「依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きがみられる」とし、前月から判断を据え置いた。新型コロナウイルス感染が夏に再拡大したことで個人消費が鈍化するなど内需には足踏み感があるが、海外の経済活動再開を背景に輸出、生産は上方修正され、外需を中心に回復への期待感もある。

 月例報告は景気判断に関する政府の公式見解を示す報告書。個別項目のうち輸出に関する判断は、欧米や中国への自動車関連が堅調だったとして、「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直している」に上方修正した。併せて企業の生産の判断も引き上げた。

 政府の資金繰り支援もあり、企業の倒産件数は「増加がみられる」から「おおむね横ばい」に上方修正。雇用も「弱い動き」から、弱いながらも「雇用者数などの動きに底堅さもみられる」と判断を引き上げた。

 ただ、個人消費は感染再拡大の結果、繁忙期であるはずの8月に旅行や外食を手控える動きが相次ぎ、判断を引き下げた。企業の設備投資もデジタル化に向けた投資は堅調だが、コロナ禍での減益や景気の先行き不透明感が重しとなっており、判断を下方修正した。

 しかし、その後は感染再拡大が収まってきたことで、9月の個人消費は金額ベースで例年と同水準まで回復しており、政府は消費が持ち直し傾向にあるとみている。10月1日には政府の観光支援事業「Go To トラベル」に東京都民の旅行や東京を目的地とする旅行も対象に加わる予定で、手控えられた観光需要が上乗せされる期待感もある。

 実際、今月19~22日の4連休では各地の観光地がにぎわった。内閣府幹部は個人消費の低迷が「一時的に留まりそうだ」とみる。

 とはいえ“自粛疲れ”の反動ともいえる旅行や外食の活発化には感染拡大のリスクが伴う。半年前の3月20~22日の3連休では全国的に外出する人が増え、その後の感染拡大につながったとの指摘もある。景気動向がコロナの感染者数に左右される状況は変わらず、先行きは楽観視できない。

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