労働所得367兆円損失、失業5億人換算 新型コロナ影響 1~9月期、ILO推計

 【ワシントン=塩原永久】国際労働機関(ILO)は23日、新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)が経済を悪化させ、2020年1~9月期の世界の労働所得が前年同期比10・7%減少したとの推計を発表した。損失額は3兆5千億ドル(約367兆円)に上り、4億9500万人が失業した換算になるという。

 ILOは新型コロナの影響が想定以上に大きかったとして、今年4~6月期の世界全体での総就労時間を下方修正。同期は新型コロナ流行前の19年10~12月期と比べ、6月に14%減と予測していたが、今回は17・3%減に引き下げた。喪失した就労時間は、週48時間勤務のフルタイム労働者に換算して4億9500万人分に匹敵するという。

 総就労時間は7~9月期が12・1%減、10~12月期は8・6%減と予測した。

 感染拡大による景気停滞に対処するため各国が財政措置を実施したが、十分な財政余力がある先進国は悪影響を比較的軽微に押さえられた一方、低所得国は十分な対策を講じることができず打撃が大きいとILOは分析している。

 20年1~9月期の労働所得は低中所得国で15・1%減るが、高所得国では9・0%減にとどまる見通し。地域別でみると米州大陸が12・1%減で落ち込みが最大に。最も影響が小さいアジア太平洋地域は9・9%減だった。

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