韓国サムスン「脱中国」で飛躍 世界市場でファーウェイ代役に

 米中対立では15日、米商務省が次世代産業の中核となるハイテク分野の主導権を中国に握らせまいとして、ファーウェイに課す規制を強化。「産業のコメ」ともいわれる重要電子部品、半導体の供給を遮断した。当初は米企業に対して取引を禁じたが、米国以外の企業から供給を受けることができたため、今回、米国の製造装置や設計ソフトを使っていれば、米国以外の企業が作った半導体であってもファーウェイに供給するのを禁じた。

 これを受け、サムスンはファーウェイへの半導体メモリーの供給を中止。米政府は中国封じ込めに勢いをつけており、同盟国企業であるサムスンが米国に恭順の姿勢を示すのは当然ともいえる。たとえ中国市場で稼ぎを失っても、サムスンには世界市場で取り返す余地がある。米政府が各国にファーウェイ製品の排除を要請しているためだ。

 サムスンは米携帯通信最大手のベライゾン・コミュニケーションズに次世代規格の第5世代(5G)移動通信システム用の基地局を供給することを7日発表した。韓国紙、ハンギョレ(日本語電子版)は「世界最大のモバイル市場である米国で認められた」と伝えた。5Gでは英国、豪州などが通信基地局で世界首位のファーウェイの排除を決めており、米国での実績を足掛かりに5位サムスンが各国の市場でファーウェイの代役になるとの見方も浮上する。5Gでの地位向上は他製品への相乗効果を呼ぶ可能性も高い。

 米中両国と適度な距離感を保つ“二股”の戦略をとってきたサムスン。米政府の意向をくんだともいえる変容は、世界市場で今後大きくなるファーウェイの空席を埋める有利な立場をもたらすことになりそうだ。(経済本部 佐藤克史)

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