消費者物価3カ月ぶり下落 8月、マイナス0・4%

 総務省が18日発表した8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比0・4%下落の101・3で、3カ月ぶりに前年実績を下回った。下落幅は平成28年11月(0・4%下落)以来3年9カ月ぶりの大きさ。政府の観光支援事業「Go To トラベル」による宿泊料低下が響いた。消費税増税の物価押し上げ効果が剥落する10月以降は下落幅が拡大し、デフレ基調が強まりそうだ。

 宿泊料は32・0%減と大幅に下落。原油価格の下落で電気代が2・5%値下がりしたほか、消費税増税に伴い導入された幼児教育・保育の無償化で幼稚園や保育所の保育料も下がった。

 値上がりしたのはプリンターや電気炊飯器などで、新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークや自炊が増えたことが影響した。火災・地震保険料や、すしなどの外食も上昇している。

 天候次第で値動きが激しい生鮮食品に加え、海外の要因で変動するエネルギーも除いた8月の指数は0・1%下落した。前年実績を下回るのは3年5カ月ぶりで国内の物価基調は弱い。

 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は、消費税増税の影響が一巡する10月以降は生鮮食品を除く指数の下落率が「1%程度に拡大する」と予想する。

 個人消費は緊急事態宣言解除後の6月に急回復したが、その後の感染再拡大で頭打ちとなり、1人10万円の定額給付金の支給もほぼ終わったことで持ち直しの動きが鈍化する。追加の経済対策がなければ、今後は雇用・所得環境の悪化が家計の可処分所得を直撃し、物価の下落圧力が強まる。

 菅義偉(すが・よしひで)首相が力を入れる携帯料金の引き下げも物価には下押し要因になる。物価が持続的に下落し経済が縮小するデフレ不況が再来するのを防ぐため、新政権は対応を迫られそうだ。(田辺裕晶)

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