大丸心斎橋店北館が「心斎橋パルコ」に 9年ぶりの大阪再進出

 大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ・フロントリテイリング子会社のパルコは16日、改装中の大丸心斎橋店北館(大阪市中央区)を「心斎橋パルコ」として11月に新装オープンすると発表した。若者を中心に心斎橋で親しまれたパルコが約9年ぶりに大阪へ再進出を果たす。(田村慶子)

 「心斎橋パルコ」は地下2階、地上14階建て、延床面積約5万8千平方メートル。近隣から移転開業する大手雑貨店「東急ハンズ」のほか、ファッションやインテリア、飲食など約170店舗が入る。具体的な開業日は決まっていないが11月中旬ごろになる見通しで、一部は来年1~3月の開店にずれ込む。12階に入るイオンシネマの新業態シネコンは来年初春を予定する。

 J・フロントは昨年建て替えた隣接する大丸心斎橋店本館との相乗効果を狙う。同社の好本達也社長は「価値ある融合」と期待を込めたが、新型コロナウイルスが感染拡大する中での再始動でシナリオ通りにいくかは不透明だ。

 大丸松坂屋百貨店とパルコは、平成29年11月にも松坂屋上野店南館(東京都台東区)を建て替え、パルコの新業態「パルコヤ」を中核にすえた複合商業施設を共同開発した。J・フロントは今年2月にパルコを完全子会社化。百貨店とパルコの連携を強めることで、東京や大阪、名古屋など主要都市での収益拡大を目指している。

 百貨店業界に詳しい岩井コスモ証券・投資調査部の有沢正一部長は「コロナの感染が続く今、街中で映画や買い物を楽しむといった時間消費型の施設は集客が難しい」としたうえで、「新たなコンセプトやブランド価値を発信できれば、時間はかかるが軌道に乗る可能性はある。訪日客がいない今だからこそ日本人離れを気にせず、ターゲットも絞りやすい」とする。

 心斎橋パルコとして生まれ変わる北館はもともとそごう大阪店だったが、そごうの経営破綻で平成12年に閉店。復活の象徴としてそごう心斎橋本店を5年越しに開業するも、わずか4年ほどで再び閉店に追い込まれた。その後、大丸が土地、建物を取得。本館を昨年9月に新装オープンさせた後、北館の大規模改装を進めていた。改装後は本館と2~10階部分を接続して一体化し、回遊性を高める。

 一方、旧心斎橋パルコは心斎橋筋商店街北側の入り口にあったが、建物の老朽化により23年9月に閉店。25年4月にはカジュアル衣料大手「H&M」が全床を占めるファッションビル「心斎橋ゼロゲート」に業態を転換させた。

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