ドコモ口座事件、「3つの違和感」 ドコモが土下座すればいいの?

違和感その2:リスク計算の不在

 今回の問題は、NTTドコモや銀行、システム開発事業者がネット決済にかかわるどこかにリスクがあり、そのリスクをどう見積もるのか、という点が甘かったことに起因する。

 一方、こういう問題が出ると「結局現金が安全」という話が出る。だが、それはあまりにリスクを軽視しすぎだ。いわゆる「オレオレ詐欺」の方がずっと被害額は大きいが、ネットは関係ない。現金の場合、落としたら戻ってくる確率は低い。

 そもそも、振替・振込に関わる詐欺は、これにかかわらず日常的に起きている。

 前述のように、個人の口座情報や口座名義の流出を防ぐのは極めて困難だ。だからこそ、「シンプルな情報では突破しづらい仕組み(突破できない、でないことに留意)」「仮になにかあってもトラック(追跡)が容易な仕組み」が求められる。

 だが、個人がリスクを計算するのは難しい。銀行について、「リスクを勘案して選ぶ」人はまだまだ少ないだろう。そういう意味では、個人側にも「リスク計算」は不在だ。だが、満足な情報も判断基準も提示されていない以上、それを責めるのは酷だ。

 誰にとっても「リスク計算が不在である」構造の矛盾が、あまり指摘されていない。そこに違和感を持つべきだ。

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