米、ファーウェイ向け半導体禁輸を強化 スマホ生産に打撃

 【ワシントン=塩原永久、北京=三塚聖平】トランプ米政権は15日、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への半導体輸出を全面的に禁じる新規制を施行した。従来の輸出規制を強化して汎用(はんよう)品の半導体も禁輸対象とした。華為は中核部品の調達が一段と困難になる。中国政府は強く反発しており、ハイテク覇権を争う米中対立が、個別企業を標的にした報復合戦に発展する恐れもある。

 米商務省は5月、米国の技術を用いて製造した海外メーカーの半導体供給を禁じた。ただ、対象を華為が自社の製品向けに設計し、他社に生産を委託して調達した半導体に限ったため、禁輸措置の「抜け穴」(ロス商務長官)が残った。

 8月に決めた追加措置は華為の制裁回避に対抗し、市場に出回る汎用品も禁輸対象とした。今月14日までの猶予期間の終了後、違反企業は米制裁を受けかねない。華為はスマートフォンや通信システムに使う半導体が入手できず、経営に打撃となる公算が大きい。

 華為がスマホで使う半導体の製造を主に委託してきた台湾積体電路製造(TSMC)は華為からの新規受注を5月に停止。新規制施行後は「華為への出荷計画はない」と表明している。

 一方、華為は半導体の在庫確保に奔走したもようだ。中国税関総署によると8月の集積回路の輸入額は前年同月比11%増の311億ドル(約3兆3千億円)。台湾メディアは、華為の傘下企業がチャーター機を飛ばし、台湾で調達に動いたと伝えた。ただ在庫を使い切ればスマホ生産に影響が出ることは避けられないとみられる。

 米国は中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業売却も求め、中国の先端企業を狙い撃ちにする。

 中国外務省の趙立堅報道官は11日、ティックトック売却などを求める米国に対し、「中国企業を含む外国企業への理不尽な抑圧を停止すべきだ」とし、「中国企業を守る権利を留保する」と対抗措置も辞さない構えを示した。

 ハイテク業界関係者や金融市場では、中国の報復対象として米アップルをはじめ中国事業で稼ぐ米有力企業が取り沙汰されており、今後は中国側の出方も焦点だ。

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