失策続きの総務省 政治からの圧力に拙速な規制…OBも苦言

【経済インサイド】

 総務省で“失策”が続いている。インターネットの交流サイト(SNS)などで誹謗(ひぼう)中傷の発信者を特定する新たな裁判手続きで、表現の自由や通信の秘密に抵触する懸念を有識者から指摘された。通信料の値下げを目指した携帯電話の制度改革は不発に終わり、ふるさと納税では法改正で制度から除外した大阪府泉佐野市に敗訴する結果となった。政治からの圧力などで、拙速な規制に走る総務省にOBからも苦言を呈する声が上がっている。

 総務省は7月、増加するネット上の誹謗中傷への対策として、発信者情報の開示を迅速化する有識者会議を開催。会議では、発信者の特定を容易にするために電話番号を追加することが主な柱だったが、委員から異論が相次いだ。中間報告書をとりまとめに際し、「議論が十分に尽くされているとはいえない」とする意見書が提出される異例の結果となった。

 ネットの誹謗中傷をめぐっては、発信者の特定が難しいことなどが課題で、総務省も検討を続けていた。5月下旬、フジテレビの番組に出演したプロレスラーの木村花さんがSNSで非難を受けた後に亡くなったことをきっかけに、総務省は規制強化に舵を切ったものの、委員から「早急だ」としていさめられた形だ。

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