外食閉店ラッシュに悲鳴! 時短要請に「串カツ田中」などが反旗 低価格路線と高価格路線の二極化進むか

 新型コロナウイルス対策として、東京都などが酒類を出す飲食店に営業時間の短縮を要請している。これに対し、居酒屋チェーン「串カツ田中」などが通常の営業時間を継続、「反旗」を翻した。コロナ禍で外食・居酒屋チェーンの大規模閉店が相次いでおり、背に腹は変えられない様子がうかがえる。

 東京都では、3日から酒を提供する飲食店やカラオケ店に対し、営業時間を午後10時までに短縮するよう要請した。

 串カツ田中は4日現在で都内の直営61店で午後10時以降の営業を継続している。運営会社の串カツ田中ホールディングス(HD)広報は「チェーンを運営している以上、1事業者に20万円の協力金では厳しい。店舗は路面店が多く、換気もしやすく感染対策は十分に実施できている」と経緯を語った。

 同社ではコロナ禍による休業が直接閉店に影響したことはないものの、「不採算店舗の閉店時期が早まったという影響はある」とした。

 居酒屋チェーン「権八」やエスニック料理チェーン「モンスーンカフェ」などを運営するグローバルダイニングでも、商業施設に入居する一部店舗を除き、通常の営業時間を継続する。同社の長谷川耕造社長は7月31日の決算会見で「飲食業界では閉店が続き、経済への影響の方が深刻だ」と述べた。同社運営の5店舗が入居する複合施設「G-Zone 銀座」の閉店も発表された。

 日本フードサービス協会の発表によると、6月分の外食売上高は前年同月比21・9%減で、3月分から4カ月連続で前年割れしている。

 居酒屋チェーンでは、「甘太郎」や「北海道」などを運営するコロワイドが5月に不採算の店舗計196店の閉店を発表し、ワタミは国内65店を今年度中に閉店する。「金の蔵」「東方見聞録」などを運営する三光マーケティングフーズも2020年6月期に40店舗を閉店した。

 牛丼チェーン「吉野家」を運営する吉野家HDは21年2月末までに吉野家など最大で国内外の計150店を閉店することを明らかにしている。

 競合する牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーHDは「閉店の見通しについては未定」、「松屋」を運営する松屋フーズは「現状では回答できない」とした。

 経済ジャーナリストの磯山友幸氏は「これまで外食チェーンは多店舗展開や回転数を上げることでコストを削減し、低価格を実現していたが、薄利多売のモデルが成り立たなくなってしまった」と指摘する。

 変化も生まれつつある。ハンバーガーチェーン「モスバーガー」を運営するモスフードサービスは、店舗レジでの商品注文など接客業務を、外出困難な障害者が遠隔操作ロボットを使って行う実証実験を始めた。

 前出の磯山氏は「サービスを機械化してコスト削減と安全性を両立させて低価格路線を続けるか、逆に店員と客にPCR検査を徹底することでマスク着用の必要がない店内を実現するなど、高付加価値に見合う高価格を求める路線か、二極化の傾向がますます高まる可能性がある」と見通しを語った。

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