テレワークで「熱海」移住が注目! 「海・山・温泉・食」満喫、東京まで新幹線で36分の好立地

 (一社)日本元気シニア総研の分科会であるABS研究会で一緒に活動しているクリエイターの佐藤豊彦さん(62)は、3年前から熱海のマンションに住んでいます。佐藤さんはパソコン通信の黎明期から通信手段を使った仕事をしており、テレワーク歴は30年になります。

 熱海の魅力は、「海・山・温泉・食」といった自然が満喫できることと、東京まで新幹線で36分という好立地でしょう。

 佐藤さんは渋谷にオフィスを構えているため、重要なミーティングや体験を伴う情報収集などで東京に出てくることもありますが、基本は熱海でテレワークです。加えて、故郷の別府やロサンゼルスに滞在することもありますが、まったく仕事に支障はないと言います。クリエイターという仕事柄、多拠点でストレスなく暮らすことで時代を俯瞰する感性が磨けるのだそうです。

 佐藤さんと同じマンションに住んでいる外資系IT企業勤務の山本さん=仮名(56)=は2年前、横浜から引っ越してきました。山本さんも職種に加え米国での仕事のキャリアが長かったこともあり、テレワークは早い段階から実践されていました。以前は3割くらいがテレワークで、あとは東京の本社に通っていたそうです。今は新型コロナウイルスの影響でほとんどテレワークですが、仕事への支障はまったくないと言います。

 コロナの影響で一気にテレワークが普及し、社内会議や商談の多くがオンライン会議で済ませられることを私たちは認識したと思います。今までの移動の時間やコストなどの多くが無駄だったことにも気づいたことでしょう。

 私も22年前の38歳になる年にフリーランスになり、ミーティングは都心まで外出していましたが、資料作成などは自宅で行っていました。それまでの毎日往復3時間の通勤から解放され、時間を効率的に活用できることに幸福を感じたものです。

 前出の佐藤さんと山本さんは獲れたての魚をさばいて一緒に酒を飲んだり、高台のマンションのベランダから花火大会を鑑賞するなど、熱海ライフを満喫されています。

 そんな熱海への移住ニーズは高く、今まではリタイア組がメインでしたが、テレワークの普及や働き方の多様化で、現役世代、特に子育てが終わったABS世代の移住の動きが加速しています。そして最近はコロナの影響で、物件の動きも活発になっているようです。

 コロナ禍で、なかなか進まなかった「働き方改革」は一気に進みました。ABS世代が自分の経験を生かせる仕事も、従来の出社スタイルでなくても実現可能です。ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を基本に、働く場所にとらわれず、生涯にわたって自分の価値を社会に提供する「アクティブエイジング」な暮らしは、新しい生活様式として浸透しそうです。

 ■ABS世代 

 昭和30(1955)年から43(68)年生まれで現在51歳から65歳の、若者時代にバブルを謳歌した世代テレワークで実現する新しい生活様式

 ■鈴木準 

 1960年生まれ。一般社団法人日本元気シニア総研・ABS研究会主任研究員。ジェイ・ビーム代表。マーケティングコンサルタント。ジェロントロジスト。広告代理店を経て37歳で起業。企業のモノやサービスのコンセプト開発、プロモーション戦略に関わっている。

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