【Q&A】「リーマン・ショック超え」 新型コロナの経済への波及経路は?

 新型コロナウイルスの感染拡大による経済停滞が経済危機に発展する可能性が懸念されている。各国・地域の政府や中央銀行が政策を総動員する中、日本銀行も27日、資産の買い入れや企業の資金繰り支援の拡充を柱とする追加の金融緩和に踏み切った。「リーマン・ショック超え」ともいわれる経済危機はどのような経路で訪れると想定されているのか整理した。

 Q 感染拡大で経済は大きく落ち込みそうだ

 A 日銀政策委員9人は令和2年度の実質国内総生産(GDP)の成長率をマイナス5・0~マイナス3・0%と想定している。政府の緊急事態宣言を受け、テーマパークや百貨店、飲食店など幅広い業種が営業の自粛・縮小に追い込まれた。業績予想の下方修正や経営破綻も相次いでいる。

 Q 金融市場も不安定になっている

 A 3月は感染者数が一気に増えた米国でパニックとなり、ドル資金の需要が逼迫(ひっぱく)した。機関投資家らの間で株式などの、リスク性資産を売却する動きが加速し、世界に株安が連鎖した。日経平均株価も不安定な値動きが続いた。原油の需要が急減し、歴史的な安値に沈んだことも混乱に拍車をかけた。

 Q リーマン・ショックとの違いは

 A リーマン・ショックは債務返済能力の低い人が借りる住宅ローンの残高が拡大したことをきっかけに、米金融機関が経営危機に陥り、世界の金融システムや実体経済にダメージが広がった。コロナショックは企業の資金繰りなど、実体経済の悪化が先行して起きている。

 Q 金融システムの悪化につながる可能性は

 A 黒田東彦総裁は28日の衆院予算委員会で「国内の金融機関は資本、流動性の両面で強いストレス耐性を備えている」と述べ、金融システムは今のところ安定しているとみている。ただ、超低金利環境の中で一部の金融機関はリスクの高い貸し出しや資産運用を行ってきた。景気悪化が長引けば損失が広がる恐れがある。日銀は最近の報告書で「実体経済と金融の相乗的な悪化につながる」リスクを指摘している。

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