鳴かず飛ばずだった「オンライン診療」 新型コロナ感染拡大でにわかに注目

【経済インサイド】

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、オンライン診療に注目が集まっている。診療所や病院に出向くことに躊躇(ちゅうちょ)する人も多いなか、これなら感染のリスクを避けながら、診察が受けられる。政府の規制緩和で普及が期待されていたものの、医療現場からの慎重姿勢もあって期待外れに終わっていた。にわかに注目された要因は、皮肉にも普及を妨げてきた「対面診療」をしないというオンライン診療の仕組みだった。

 オンライン診療をめぐっては、平成9年に「離島・僻(へき)地」などに限って認められていたが、27年に通知で僻地など限定ではないとの見解が示され、事実上、全面解禁となった。30年度の診療報酬改定では、「オンライン診療料」(月1回700円)などが創設され、保険適用が始まった。4月の診療報酬改定でオンライン診療の対象疾患が拡大され、環境は整いつつある。

 ただ、医療関係者の理解はこれからだ。2月1、2の両日、日本医師会が開いたシンポジウムでは、今村聡副会長が「オンライン診療はあくまで対面診療を補完するツールで、対面診療と同等のものとは言えない」と述べている。安易な拡大路線には、懐疑的な意見もある。オンライン診療の保険適用を申請している医療機関は、昨年春時点で全体のわずか1%にとどまっていた。

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