踏み間違え事故、ビッグデータでなくせ トヨタ「つながる車」で目指す未来

 【経済インサイド】

 トヨタ自動車が、通信機能を備えた「コネクテッドカー(つながる車)」を生かした交通事故撲滅に本格的に乗り出した。高齢ドライバーに多いペダル踏み間違い事故を防止しようと、今夏からコネクテッドカーから得られたビックデータを解析・開発した新機能「急加速抑制機能」を導入する。道路上の障害物の情報を車両間で共有できるシステムについても、令和2年度内にめどをつける見込みだ。実現すれば、コネクテッドカーが事故防止だけでなく社会課題を解決する切り札となる。

 「究極の目標である『交通事故死傷者ゼロ』に近づけていくなかで、効果はかなり大きいと思う」。東京都内で2月に開かれた急加速抑制機能の発表会で、トヨタ先進技術カンパニーの葛巻清吾フェローは強調した。

 新機能の特徴は、高度なセンサーを使わずに、ペダルなどの操作のみから誤った急アクセルを判断できる点だ。現在も急加速抑制機能は各社にあるが、同時にセンサーで障害物を検知した場合に限られている。

 だが実際には、死傷者の多いブレーキとアクセルの踏み間違い事故は、交差点など障害物がない場所で起きている。社会に大きな影響を与えた、昨年4月の東京・池袋での高齢ドライバーによる暴走事故が典型例だ。この事故車両がトヨタの「プリウス」だったことは、社内にも少なからず影響を与えたようだ。葛巻氏は「できる範囲で検証し、踏み間違い対策として何ができるか、昨年から検討に着手していた」と振り返る。

 車の操作や動きは非常に複雑だ。障害物を避けるため、急ブレーキをかけるだけでなく、逆に急加速する場合もある。メーカーとしては、「明らかに踏み間違いによる急加速」だと判断できる状況を把握する必要があった。

 その状況分析に役立ったのが、コネクテッドカーから専用回線を通じて収集した走行時のビッグデータだ。車両速度の変化はもちろん、アクセルの踏み込み速度や深さ、シフトの位置、車両角度などの詳細なデータが集められている。

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