本当に必要? 「老後2000万円問題」とはどんなものだったのか

【経済インサイド】

 老後に必要な蓄えは、年金以外にどのくらい必要なのか。昨年、国民的議論を巻き起こした「2000万円問題」について、ちまたの高齢者に聞くと、「老後に2000万円なんて要らないよ」と、騒ぎをいぶかる声もある。年を取ると「欲望」が失せ、お金を使う必要がなくなるからだという。

 とはいえ、少しの預貯金ではすぐに使い果たしかねず、老後も定期的に収入が入る工夫が重要だ。

 「若いころは、あれこれ洋服を買っておしゃれするのが好きだった。でも、今は、まったくそんな気にならない。足が痛いので、買い物に出かける元気もない。そんなにたくさん、お金は要らない」(東京都杉並区の80代の女性)

 「若いころは会社から給料をもらったら、いの一番に車を買いに行った。今は消費欲がないし、遊ぶ体力が続かない。収入は年金だけで少ないけど、お金の使い方にシビアになるから、やっていける。そもそも、周りに2000万円も貯金がある人なんていないよ」(北九州市の70代の男性)

 最近、社会保障問題をテーマにした取材で出会った高齢者は、「老後2000万円問題」に絡んで、こう感想を述べた。そして、みな口にしたのが、「『大変だ、老後に2000万円も必要だ!』とパニックになっているのは、お金を使って消費したい意欲がまだまだ盛んな、40~50代の人たちではないか」ということだ。

 ここで、「老後2000万円問題」とはどんなものだったか、おさらいしてみよう。そもそもの発端は、金融庁金融審議会の市場ワーキング・グループが昨年6月3日に、報告書(「高齢社会における資産形成・管理」)をまとめたことだ。

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