野村HD社長交代も信頼回復と環境変化で波乱の船出

 野村ホールディングス(HD)のグループCEO(最高経営責任者)から代表権のない会長に就く永井浩二氏がグループCEOに就任したのは平成24年8月。増資インサイダー事件で業務改善命令を受け、世間の厳しい目にさらされる中での船出だった。

 その野村HDに今年、再び批判が集中した。決定的だったのは、東京証券取引所の株式市場再編をめぐる情報漏洩問題だ。いわゆるインサイダーには該当しないものの、金融庁は「資本市場の公正性・公平性に対する信頼性を著しく損ないかねない行為」と認定し、業務改善命令を下した。

 野村HDの株価は夏場にかけて低迷し、株主の不満も爆発した。今年6月の株主総会で、永井氏と会長の古賀信行氏の取締役再任への賛成率は約60%という異例の低さだった。

 このタイミングでのトップ交代に、2日の記者会見では、行政処分との関係を問う質問が相次いだ。永井氏は直接の因果関係は否定したものの、奥田氏について「業務改善の取り組みを安心して任せられる」と述べた。

 永井氏からバトンを引き継ぐ奥田氏には、市場や顧客からの信頼回復はもちろん、経営環境の急速な変化という難題が待ち受ける。

 「メインのプレーヤーは現在と同じではなくなるのではないか」。IT企業などの異業種が続々と参入してくる現状に、奥田氏は危機感を募らせる。新生・野村に向け、豊富な海外経験やコミュニケーション能力の高さを駆使していく考えだ。(米沢文)

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