日本の「はんこ文化」が逆風 デジタル化の対応苦慮 「脱はんこ」を推進する企業も

はんこ店、減少の一途

 はんこ文化は台湾や韓国などアジアの一部にも存在するが、日常利用するのは世界でも日本だけ。ただ、日本のはんこ店も、近年は減少の一途をたどる。

 はんこの歴史に詳しい大阪芸大客員教授の久米雅雄氏によると、日本最古のはんこは1784年に福岡市の志賀島で見つかった「漢(かんの)委(わの)奴(なの)国王印」(漢伊都国王説も)。「奈良時代、隋や唐の印を模した官印が使われ、江戸以降に庶民の間で流行した」と説明。1873(明治6)年には印鑑登録制度が始まり、今に続く署名捺(なつ)印(いん)が制度化された。

 日本特有のはんこだが、需要減や後継者不足で、廃業する専門店が後を絶たない。全日本印章業協会によると、平成元年に4370人だった会員数は、今年6月末には941人と初めて千人を切った。久米氏は「はんこは日本固有の伝統文化。安易に壊されるべきではない」と訴える。

 同協会の徳井孝生会長は「印影をスキャンしてデータ化するなど、はんこもデジタル化に対応する必要がある」と強調。ただ、社会に根付く印章制度を急変させることは、「ITに弱い人の情報格差問題もあり、混乱を招きかねない」と指摘した上で、「なくす議論ではなく、国民の多くが持つはんこをどう活用するかが重要。国とともに方策を考えたい」と話した。

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