台風浸水で波紋…「ハザードマップ」は資産価値に影響するのか? 危険指摘エリアに買い手がつきづらくなる可能性も

 【マンション業界の秘密】

 この秋の台風と豪雨はさまざまな被害をもたらしたが、もっとも大きなものは各地で起こった水害だろう。

 マンション関連で言えば、多摩川の両岸で起こった浸水被害が大きく報道された。東京の世田谷区側の二子玉川では犠牲者も出た。

 川崎ではタワーマンションが林立する武蔵小杉駅周辺が冠水。一部のタワマンでは、地下が浸水したことで電気や水道が使えなくなった。

 実は、浸水被害のあった二子玉川の一部エリアや武蔵小杉の駅周辺は、ハザードマップで危険が指摘されていた。堤防決壊など多くの浸水被害にあった他のエリアでも、ハザードマップの指摘がおおむね正しかったことが判明している。

 台風19号の被害で、その重要性が改めて確認できたことになるが、不動産業界にも波紋を広げた。

 例えば、中古マンションの売買を不動産業者が仲介した場合、買い手に渡す書類の1つに「重要事項説明書」というものがある。仲介業者は契約の前にこれを読み上げて、買い手の確認を求めることが義務化されている。

 この重要事項説明には、不動産業者が知り得た物件の近隣環境の情報も盛り込まなければならない。盛り込む情報の取捨選択は「それを知っていたら購入しなかったかもしれない」を基準に行うべきだ、とされている。

 国土交通省はこの7月、不動産の業界団体に対して、住宅購入者に向けてハザードマップについて情報提供するように通知を出した。このルールは今のところ「通知」レベルだが、近い将来には法制化される可能性が高い。つまり、今後ハザードマップは一般消費者にとって住宅購入の重要な判断材料になり、浸水の危険が指摘されているエリアでの住宅購入を躊躇(ちゅうちょ)する人が増えてくるかもしれない。

 そうなると、このマップがそのまま住宅購入の重要な判断材料になる。危険が指摘されたエリアの住宅には買い手がつきづらくなる可能性が出てくる。

 ハザードマップが指摘する水害の危険度は標高や、まわりとの高低差が重要な基準になっている。東京の江戸川区は区域の70%が海抜ゼロメートル地帯だとされ、このマップでは「ここにいてはダメ」という刺激的なワードで危険を指摘している。

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