RCEP、インドの交渉不参加言及に波紋 離脱なら枠組み瓦解

 【バンコク=大柳聡庸】日本や中国、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉をめぐり、インドの当局者が今後の交渉に参加しない可能性に言及したことをめぐり、5日、日本政府内には波紋が広がった。「インドのいないRCEPは考えられない」(交渉筋)との指摘もあり、仮にインドが離脱すればRCEPの枠組み自体が瓦(が)解(かい)する恐れもある。

 「16カ国を併せれば世界最大の経済圏となることから、その戦略的、経済的意義は極めて大きい」。安倍晋三首相は4日、バンコク郊外で開かれたRCEP交渉の首脳会議の席上、16カ国の枠組みの重要性をこう強調した。

 インドの当局者が4日の記者会見で、現在の条件では「RCEPには参加できない」と話したことが伝わると、日本政府内には「対中交渉の駆け引きの一環だろう」(経済官庁幹部)と冷静に受け止める一方で、「真意がわからない」(政府関係者)といった困惑の声も聞かれた。

 4日の首脳会議では来年の協定署名で合意。その上で、関税撤廃などでインドとの交渉を引き続き継続するとした。共同声明では「インドには未解決のまま残されている重要な課題がある」と指摘。妥結はインドにかかっていると明示することで、インドの政治的な決断を促した。

 日本の立場は明確だ。中国がインドを除外した枠組みを参加国に打診した際には、日本は保護主義的な動きが強まる中、市場規模の大きいインドを自由貿易圏に取り込むことの意義を説明。また、インドが抜ければ中国の影響力が強まることへの懸念もあった。

 インドが離脱するようなことがあれば、日本のRCEPへの関心自体が薄まりかねず、交渉が暗礁に乗り上げる恐れがある。

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