消費増税1カ月 落ち込み限定的も百貨店や車に反動

 消費税率が10%へ引き上げられ、1日で1カ月たった。6兆6千億円分の政府の景気底上げ策が奏功し、全体としては景気の腰折れにつながる大きな消費の落ち込みはないとの見方が大勢だ。ただ、政府の景気刺激策の恩恵が薄い分野では落ち込みが顕著に。足元では台風19号の被害による悪影響への懸念なども強まっており、安倍晋三首相は来週にも復旧や防災インフラ拡充などを柱とする政策パッケージ策定を指示する方針だ。

 「ならしてみると、前回ほどの(消費の)駆け込みと落ち込みはない」。西村康稔経済再生担当相は1日の記者会見でこう話した。

 大和総研の鈴木雄大郎エコノミストも、「景気下支え策の効果のほか、増税幅が2%と、3%だった前回より小さかったこともある」と分析。駆け込み需要はスーパーやコンビニで小さく、食品などの税率を8%に据え置く軽減税率などが影響したとみられるという。

 ただ、下支え策の恩恵を受けなかった分野では駆け込み需要と反動減が目立つ。百貨店各社が1日発表した10月の売上高速報は、対前年同月比で高島屋19・7%減▽そごう・西武19・2%減▽J.フロントリテイリング18・7%減▽三越伊勢丹ホールディングス(HD)18・6%減-と前回増税直後と比べ、下げ幅が大きくなった。

 台風19号による休業などの影響もあったが、業界では「増税直後の反動減としては前回とほぼ同じ」との見方が大勢。大和総研の鈴木氏は「軽減税率の対象でない雑貨類などで、駆け込み需要があった」とする。

 一方、日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が1日発表した10月の新車販売台数も前年同月比24・9%減の31万4784台に沈んだ。全軽自協の担当者は「(消費税増税の影響は)ゼロだったとはいえないが、判断しにくい」とするが、自動車減税の恩恵が少なかった普通車などの駆け込みと反動減が大きかったする見方もある。

 足下では世界経済の下振れリスクもあり、企業活動や消費が冷え込むが恐れが強まっている。

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