ビジネスモデル見直しに企業イメージ毀損 セブン&アイ、どう持ち直すか

 セブン&アイ・ホールディングスが10日発表した役員報酬返上と事業構造改革は、厳しさを増す経営環境に対する同社の危機感を浮き彫りにした。不振のスーパーや百貨店事業に加え、稼ぎ頭のコンビニエンスストア事業も逆風にさらされる。「7pay(セブンペイ)」問題で傷ついたブランドイメージの回復と合わせ、新たな成長軌道を描けるかが問われる。

 「個社ごとにみると、いろんな問題がある」。8月中間決算が過去最高益となった井阪隆一社長の表情は険しいままだった。同時に発表した構造改革も、百貨店とスーパーで約40店舗の再編に3千人規模の人員適正化、コンビニの加盟店料見直しまで“大手術”といえる項目が並んだ。

 行間ににじむのが強い危機感だ。イトーヨーカ堂などのスーパー事業やそごう・西武などの百貨店事業はいずれも前年割れ。不正利用被害があったセブンペイ問題も尾を引き、利用者が入金した金額の未使用分について返金の受付を開始したが、1年前に5千円超だった同社株価は11日終値で4163円に落ち込む。

 業績を牽引(けんいん)してきたコンビニ事業もかつての力強さはない。一定地域に集中した出店で配送効率を高め、24時間営業などの利便性を武器に売り上げを伸ばしたが、採算が見込める立地の減少に加え、人手不足や人件費高騰が加盟店側に重くのしかかり、24時間営業の再考も余儀なくされている。

 経済産業省の求めで、コンビニ各社が策定した加盟店支援の行動計画ではセルフレジ導入や時短営業の容認が盛り込まれ、セブン-イレブンも約200店舗で時短営業を実験、正式に契約を切り替えた店舗も出た。生産や配送などのシステム見直しまで踏み込んだ新たなモデルを軌道に乗せるのは容易ではない。

 井阪氏はスーパーや百貨店の将来性を否定せず、多種多様な店舗モデルを抱えることで「店舗のプラットフォーマーになれる」と強調。自身の報酬返上も念頭に、「もう一度、成長軌道を描けるようにしたい」と決意を語った。(佐久間修志)

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