スバルのエンジン名機「EJ20型」生産終了 スバリストは“トヨタ化”懸念

【経済インサイド】

 技術力で高い評価を受けるSUBARU(スバル)の代名詞となっている水平対向エンジンのうち、主力であり続けた「EJ20型」が令和元年度をもって生産を終了し、30年の歴史に幕を閉じる。平成元年発売の「レガシィ」に初搭載されたことになぞらえ、「後世に残る遺産」として称える声もある。そんなスバル車を愛するスバリストたちの懸念は、トヨタ自動車の関連会社になった後の“トヨタ化”にある。

 「代表的な搭載車種はこれだ、とは言いづらい」。スバルの広報担当者はこう話す。元年から20年ごろに発売されたスバル車にはほぼすべてに、EJ20型が搭載されていたためだ。

 あえて挙げるなら、やはり初搭載されたレガシィだろう。平成の幕が開けた元年2月、当時は「富士重工」だったスバルが発売したレガシィは、その発売以前から話題を呼んでいた。試作車が同年1月、10万キロ連続走行における平均時速223・345キロという、FIA(国際自動車連盟)公認の世界速度記録を樹立したからだ。

 記録達成の舞台は、寒暖差が激しい米アリゾナ州の砂漠地帯にあるテストコース。タイヤなどを交換しつつ、昼夜問わず19日間、21人のドライバーが乗り継いで、1万周以上を走り切った。これにより、レガシィは高い性能と信頼性を実証してのデビューとなったが、それを支えたのがEJ20型だったのだ。記録は17年まで破られなかった。

 水平対向エンジンは、他のエンジンとはピストンの動きが大きく異なるのが特徴だ。車づくりではエンジンの振動をいかに抑えるかがポイントの一つだが、直列型などではピストンが上下や斜め方向に動くのに対し、水平対向は水平方向に左右対称で動く。このため振動を打ち消し合い、揺れが格段に少なくなるのだ。

 こうしてスムーズでぶれがない回転が生まれるほか、エンジンの高さが低くなって車体が低重心に設計できるようになった。エンジン自体も軽量でコンパクトになり、走りの安定性とハンドリング性を向上させることができるという。

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