制度崩壊を懸念した総務省 ふるさと納税除外継続

 総務省がふるさと納税の新制度から大阪府泉佐野市を除外する判断を変えなかったのは、参加を認めれば同市のやり方に不満を募らせる多くの自治体や国民の理解が得らず、制度の崩壊につながりかねないと判断したからだ。だが、理由付けは除外基準の解釈を整理して適法と示しただけにとどめており、法廷闘争になれば、これまでの判断の妥当性を改めて争うことになりそうだ。

 泉佐野市は総務省の要請を事実上無視する形で平成30年度に全国トップの497億円と寄付金総額の約1割もの寄付金を獲得した。だが、その裏では同市に寄付した人が住む自治体では税収が減っている。

 「正直者がばかを見る」とルールに従ってきた他の自治体の不満は強い。税収が減った自治体では行政サービスの質が落ちる可能性もある。地域の活性化などに有効に使われず、アマゾンギフト券に化けたとなると、国民も納得できないというのが正直なところだ。

 こうした点を踏まえ、総務省幹部は「除外を誤りと認めれば、制度を今後適正に運用できるかわからなくなる」と指摘する。国地方係争処理委員会が総務省の判断を改正地方税法に反する恐れがあるとした勧告を受け入れなかったのも、勧告が除外決定の取り消しまでは求めておらず「再検討してさらに理由を整理して通知しなさいということだと受け止めた」とした。

 泉佐野市は法律には違反しておらず、法律の範囲内で工夫して寄付を増大させるよう努力するのは当然と主張する。一方、総務省幹部は「違法でなくてもやってはいけないことはおのずとある。泉佐野市はその一線を超えた」と述べる。

 平行線をたどる両者の対立は自治体の裁量をどこまで認めるか、その在り方を問う問題にもなりつつある。(万福博之)

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