関電幹部たちが「原発キャッシュバック」の受け取りを拒否できなかったワケ

相手の「弱み」を握ること

 当たり前の話だが、キックバックとは、便宜を図ってもらいたい相手に受け取らせないと意味がない。「いやいや、こんなものいただけませんよ」「いただいても我々には何もできませんよ」なんて感じで受け取りを拒否されても、引き下がったらミッション失敗。森山氏のように激高してでも、とにかく相手の懐に納めさせるものなのだ。

 なぜかというと、相手の「弱み」を握ることになるからだ。

 事業を発注するなど優位的な立場にある側が、発注先からカネを受け取るのはかなり後ろめたい行為であることは言うまでもない。それは、後で返却をしようが同じである。そういう罪悪感は、カネを支払った者への「配慮」につながる。

 受け取った事実をバラされることを恐れて、排除や冷遇はできない。そういう気遣いをする幹部が関西電力の中で増えていけば当然、森山関連企業はじわじわと優遇されていく。裏金やリベートを渡す「裏工作」というものは、すぐに効果が出なくとも、受け取った罪悪感からじわじわと時間をかけて効果が出るものなのだ。

 こういうキックバックの本質が分かれば、森山氏がさまざまな原発関連事業を請け負う企業の役員や相談役になった理由も見えてくる。関電幹部らが面会をせざるを得ない「地元の大物」で、なおかつ相手が嫌がろうが拒否をしようが、きっちりと「カネ」を受け取らせる押しの強さがあったからである。

 つまり、八木会長の「受け取りを断ると、激高された」というエピソードは、自分が役員を務める企業に便宜を図れと迫る“フィクサー”としての立ち振る舞いとしては極めてナチュラルで、キックバックの疑いをさらに強めさせるだけなのだ。

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