消費税10% 家計への負担は年3万円 年金生活者と独身者には重く

 消費税が増税されたことで、公共料金を含めた幅広いモノやサービスで2%程度の値上げが行われ、家計への負担も増加する。今回は軽減税率制度の導入や幼児教育の無償化など負担軽減策も同時に行われたため、日本総合研究所の試算では、1世帯あたり平均年約3万円の負担増で、平成26年に8%に引き上げられた前回の年約15万円と比べると小幅になる見通しだ。ただ、負担軽減の恩恵が届きにくい年金生活者や独身者には負担が重くのしかかりそうだ。

 消費税増税が家計に及ぼす負担を分析した日本総合研究所の小方尚子主任研究員によると、前回は増税幅が3%だったことに加え、厚生年金保険料の引き上げや、年金給付の引き下げも同時に行われたため、家計への影響も大きく現れた。しかし、今回は増税幅が2%と小幅な上、負担軽減策が寄与し、前回に比べれば影響は小さくなるという。

 負担軽減策にはプレミアム付き商品券や年金生活者支援給付金などもあるが、効果が特に大きい政策は幼児教育の無償化と、来年4月に住民税非課税世帯を対象に始まる高等教育無償化だ。対象の子供がいる場合、増税後の家計負担は大幅に軽減される見通しだ。

 そのため、世帯別に平均を見ると、最も恩恵を受けるのが2人以上の現役世帯で、年収が250万円の低所得層だ。年間最大187万円の支援が受けられる高等教育無償化の対象者が多いことが理由で、この層は増税による負担増が年4万円なのに対し、負担減は年13万2千円となった。ただ、これは平均値のため支援対象の子供がいなければ、負担は大きくなる点に注意が必要だ。

 子供のいない単身世帯や子育てを終えた年金世帯は、負担軽減の恩恵は乏しく、増税後の家計への負担は1~3万円程度増加する。キャッシュレス決済に伴うポイント還元策は、どの程度使われるかが見通しにくく、試算には盛り込まれていないが、活用すれば年間数千円程度、家計負担が軽減される効果が見込めるという。

 ただ、ポイント還元策やプレミアム付き商品券など、負担軽減策の中には期限を区切ったものもある。第一生命経済研究所の星野卓也副主任エコノミストは「時限措置が終了していくことで、令和4年度まで家計負担は少しずつ増えていく」と話している。(蕎麦谷里志)

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