日米貿易交渉、25日署名へ 安価な米国産農産物輸入で農家には打撃も

 安倍晋三首相とトランプ米大統領は25日午後(日本時間26日未明)に米ニューヨークで日米首脳会談を開き、貿易協定への署名を目指す。世界の国内総生産(GDP)の2割超を占める米国との協定で工業製品の関税が下がる日本側にとって輸出や相互投資が増える期待は大きい。だが、安価な米国産農産物の輸入が拡大すれば、国内農家の打撃になりかねない。

 茂木敏充外相は22日のNHK番組で、大枠合意した日米貿易交渉について「農産品、工業品を含めてバランスがとれ、日米双方にとってウィンウィンとなる成果を上げたい」と述べた。

 貿易交渉は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を離脱した米国が農産物などの対日輸出拡大を主張したことを受け、昨年9月に始まった。今年4月からは閣僚による本格協議を始め、8月下旬に大枠合意に達した。わずか1年という異例の期間で決着したのは、日米ともに早期の合意を目指したからだ。

 日本側は、交渉が長引けば、米国産農産物の関税引き下げ・撤廃をTPP水準に抑えたい意向を受け入れてもらえなくなるという判断が働いた。

 38・5%の米国産牛肉の関税をTPPと同様に段階的に9%に引き下げるなどTPP水準に抑える一方、日本が求めていた米国の日本車への関税撤廃は見送られることになった。ただ、今後、米国側が日本車に追加関税を発動しないことを交渉で引き出せたもようだ。茂木氏はこの日、「信頼関係に基づいて協議をしてきた。今後のことに懸念を持っているということは全くない」と強調した。

 米国は、中国との貿易摩擦で打撃を受ける米国農家の不満を和らげるためにも、日本との貿易協定を急ぐ必要があった。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)やTPPが発効したことで、日本市場で高関税の米農産物は価格競争力を失い、シェアが下がりかねない。米政府がそんな危機感を募らせたことも大きかったようだ。

 茂木氏は「最終合意に向けてよいところまできている」と語った。

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