「水入れるだけ」や100グラムの小分け 時短・個食ニーズの「粉もの」続々

【経済インサイド】

 消費者の食生活の変化に対応するため、日本製粉や日清製粉グループ参下の日清フーズなどの製粉各社は、簡便さなどを前面に押し出した新製品を発売する。近年の女性就業者数の増加などに伴い、時短調理や個食向けなどのニーズが急増する中、需要取り込みを図るほか、高齢化や人手不足などを踏まえた商品展開も進める。製粉各社は物流コストや、原料費の高騰などの外部環境の悪化に直面しており、社会課題に向き合った商品開発で売り上げ拡大に努めたい考えだ。

 「卵も牛乳も不要、水を入れて混ぜるだけ」-。そんな型破りなホットケーキ用のミックス粉が日本製粉から発表された。その名も「めちゃラク ホットケーキミックス」。卵と牛乳の成分をあらかじめミックスに配合することで、袋の中に水を加えて混ぜるだけで生地ができあがる。ボールやおたまなどの調理器具さえ不要で、担当者は「材料や調理器具の準備、洗い物の手間などを最小限にし、ホットケーキ作りの際のお客さまの不満点の解消を図った」と話す。

 他のメーカー各社も多様化する食ニーズに応える新製品を発売する。昭和産業は100グラムごとに小分けしたたこ焼き粉(たこ焼き約20個分)を発売する。1人で食べるときにも、適当な量を提供することで個食ニーズに対応する。

 簡便さや個食ニーズが増える背景の一つとして指摘されるのは、働く女性の増加だ。総務省統計局が発表した令和元年6月の労働力調査によると、女性の就業者数は3003万人となり、初めて3000万人を突破した。対前年同月と比較し、男女合わせて60万人の就業者数の増となるが、そのうち53万人が女性と大半を占める。働く女性が増えることで、共働き世帯が増加し、食卓のあり方を変化させているという構図だ。少しでも調理時間を短くする時短ニーズが高まり、家族が一緒に食卓を囲まない個食の傾向も強まっている。子供が1人で調理する機会も想定され、火を使わずに簡単に作れるなど、安心、安全のニーズも高まる。

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