ふるさと納税仲介サイト、自治体と広く連携 利幅圧縮で方針転換

 6月から新制度が始まったふるさと納税で、自治体からの手数料で仲介サイトを運営する民間各社は方針の転換を余儀なくされている。各社は派手な広告で豪華な返礼品をPRし、寄付を増やしてきたが、新制度で広告表現が規制されたためだ。自治体の経費にも上限が設けられ、各社は利幅が圧縮される見通しだ。競合他社との競争が激化する一方、差別化戦略が鮮明になっている。

 新しいふるさと納税制度では豪華な商品やギフト券が禁止されたことで、突出して寄付金を集める自治体がなくなるのは確実だ。さらに、返礼品の調達費用や配送料、広告費を含む自治体の「経費」は寄付額の5割までしか認められなくなった。このため、仲介サイト各社に入る手数料が目減りしてしまう恐れもある。

 各社とも寄付額の拡大傾向は続くと分析するが、利幅が減るため、ふるさと納税以外にも地方自治体との提携を拡大し、収益を確保したい考えだ。

 ソフトバンク系の「さとふる」は、納税サイトの運営だけでなく、コールセンターの運用など、自治体業務の代行も手がける。地方拠点を強化し、制度運営に人員を割けない小規模自治体を中心に開拓する。

 楽天は自社のインターネット通販「楽天市場」で培ったノウハウを生かす。楽天市場で優秀な売り上げ実績のある出店者が地元自治体の納税サイトを運営するなどの事例も出ている。寄付額に応じた楽天ポイントの付与は継続する一方、自治体に求めていた費用負担を取りやめた。「ふるさとプレミアム」を運営するユニメディア(東京)はマンガやアニメの著作権などを管理するソニー子会社と提携。作家の出身地や作品の舞台となった自治体の観光振興につなげる。

 ふるさとチョイスを運営する最大手のトラストバンクは既に全国約1700自治体中、約1500自治体と提携しており、盤石の体制で各社を迎え撃つ。

 さとふるの調査では、36%の自治体が制度改正で「寄付額が減る」と答えた。一方、6割超が「増える」または「影響がない」と答えている。5千億円以上の巨大市場に成長したふるさと納税をめぐる事業者の戦いは激しさを増すばかりだ。

 総務省は民間事業者に対し、ガイドラインの作成を要請しており、各社は情報交換などに積極的だが、ある事業者は「(事業者同士は)机の上ではにこにこ話しているが、下で蹴り合っているような状態」と探り合いの状況が続いている。(高木克聡)

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