自動車大手、米中摩擦などで需要伸びず 7社中5社減益 円高で下方修正も

 自動車大手7社の令和元年4~6月期連結決算が5日、出そろった。米中貿易摩擦の影響などにより米国や中国、インドといった巨大市場で需要が伸びず、トヨタ自動車とSUBARU(スバル)を除く5社が減収減益という厳しい内容になった。また、足元で進行する円高ドル安を踏まえ、トヨタは通期連結業績予想を引き下げた。自動車メーカーをめぐる経営環境は悪化しており、今後、下方修正が相次ぐ可能性もある。

 減益5社の中でも、本業のもうけを示す営業利益が98・5%減となった日産自動車と、78・8%減となったマツダの業績悪化が目立つ。両社とも、北米市場で販売不振だった。

 日産は、カルロス・ゴーン被告がトップ時代に北米で販売奨励金を積み増して安売りを推進。この影響で日産車のブランド価値が低下し、値引きを抑えると販売が落ち込むという悪循環に陥った。「販売の質を上げる」(西(さい)川(かわ)広人社長)ことに取り組むが、北米での販売は6・3%減の45万2千台だった。

 マツダの北米での販売は13・8%減。奨励金の支出を抑制する一方、全面改良した小型車「マツダ3」などの販売増で前年並みを計画していたが、想定を下回ったという。

 一方でトヨタとスバルが増益を確保できたのは、北米での販売が堅調だったから。同地域の営業利益を約5割増やしたトヨタの近(こん)健太執行役員は、「奨励金を販売店ごとにきめ細かく見たことで、低減効果が出てきた」と胸を張る。

 もっとも、先行きは不透明だ。スバルの岡田稔明取締役は5日、「米中摩擦は世界経済全体に影響する」と警戒感を示した。

 トヨタの4~6月期の想定為替レートは1ドル=110円だったが、通期は1ドル=106円に変更し、輸出の採算悪化などを見込む。他の自動車大手の多くは1ドル=110円のままで、足元の円高傾向が続けば、通期業績予想の下方修正につながりかねない。通期営業利益予想に対する4~6月期の進(しん)捗(ちょく)率(りつ)は日産が0・7%、マツダは6・3%に過ぎず、挽回は難しそうだ。(高橋寛次、今村義丈)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ