ふるさと納税、新制度も火種 国VS泉佐野市 きっかけ 除外自治体「不公平」

 ふるさと納税の新制度から除外された大阪府泉佐野市と総務省の対立が激化している。「地方自治の軽視だ」と批判する同市に対し、総務省も「制裁ではなく適法だ」と一歩も引かない。ただ競争の過熱を受け、初めて法制化された返礼品の基準をめぐり、自治体の不満は根強く残る。

 総務省は、過度な返礼品で多額の寄付を集める手法を「ふるさとを応援するという制度の趣旨に反する」と問題視。改正地方税法で返礼品について「寄付額の3割以下の地場産品」との基準を定め、泉佐野市を6月施行の新制度に参加する自治体に指定しなかった。

 総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」が24日に開いた会合で、泉佐野市と総務省は、新制度施行前に同市が提供したギフト券を含む返礼品の妥当性などをめぐり応酬した。

 同市の千代松大耕(ひろやす)市長は「返礼品をきっかけに観光に訪れてもらうなど、ふるさと納税は寄付にとどまらない意義がある」と主張。返礼品の基準に関し「特産品がある自治体を優遇し、不公平だ」と批判した。

 同席した市の代理人弁護士も「新制度の施行前に返礼品に関する法的規制はなく、自治体の判断に任されていた」と訴えた。

 これに対し総務省の開出(かいで)英之自治税務局長は「泉佐野市は(寄付額の)4~5割の返礼品を1千品目以上そろえ、まるでカタログショッピングだ。ほかの自治体からルール策定を求める声が上がり、健全かつ公平な制度の存続が危ぶまれた」と反論した。

 新制度では地場産品に乏しい自治体が、新たに近隣自治体の特産品などを共通の返礼品にできる。しかし、今回除外された和歌山県高野町の担当者は「自治体によっては『この特産品は譲れない』と連携が難しい場合もあり、不公平感は残る」と漏らす。

 ふるさと納税に詳しい神戸大の保田(ほうだ)隆明准教授は「全国では、高い知名度の特産品を持たない自治体のほうが多いのではないか。税金の一部を原資にしている以上、国は一定のルールの下で各自治体が競争し、地方創生につながる環境を整備すべきだ」と話す。(清宮真一)

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