メガバンクに“捨てられる”個人客 “拾ってくれる”地銀や信金を知っておくべきだ

【銀行から「金行」へ】

 6月まで放送されていたテレビドラマ「集団左遷」は、主人公の働く大手銀行が外資系のネット企業に買われてしまうかもしれないという発想が斬新だった。

 現実の世界でも店舗と行員の大幅なリストラをメガバンクが発表するなか、スケールダウンして生き残るというのはありそうなシナリオだ。

 私も以前の連載で、メガバンクが「商業銀行をやめる」可能性に言及したが、各行は行員削減やATM(現金自動預払機)の共同利用など、将来の大規模なリストラを予見させる施策を打ち出している。

 もしメガバンクが今までのような形態から変わってしまうと、一般利用者は困るだろうか。答えはノーだ。メガや大手銀行にとって、富裕層ではない零細個人や企業は、なくても困らない存在なので、いずれ彼らに無視されてしまうからだ。

 彼らの本音は「預金も要らなくなった現在、ほとんどの個人と企業は取引するメリットがない」というもので、「地方銀行や信用金庫、信用組合に喜んで譲る」対象であろう。

 そうした意味で、“捨てられる”私たちを拾ってくれる金融機関である地銀、信金、信組のことをもっと知る必要がある。

 硬貨の入出金ができないATMが多いことや、ATMの稼働が営業時間外や週末に限られていること、さらには行員や職員の多くは金融業務に関する知識が十分とはいえず、運用の相談など間違ってもすべきでないことも知っておくべきだろう。

 メガバンクは10年後にゼロになっているかもしれない。名前は残っていても、実態はわれわれ庶民とは無関係の存在になっている可能性もある。となると付き合いが続く(あるいは始まる)金融機関あるいは決済会社のことをよく知らなければならない。

 そこで地銀の口座を1つでも持っておくことは無意味ではない。メガやゆうちょとのサービスの違いが実感できるし、都内に1、2店舗しかないことが利用者にどれだけ不便かもよくわかる。

 そういう地銀はメガから買ってでも大都市圏に店舗を増やすべきなのだ。しかし、「合理化」の美名のもと、流れは逆になっている。

 ■津田倫男(つだ・みちお) フレイムワーク・マネジメント代表。1957年生まれ。都市銀行、外資系銀行などを経て独立。企業アドバイザーとして戦略的提携や海外進出、人材開発などを助言する。著書に『地銀・信金 ダブル消滅』(朝日新書)など。

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