「今、外国人に話題のアニメの聖地はここ」 SNSをAIで分析・解明

 【経済インサイド】

 「今、外国人に話題のアニメの聖地はここだ! 」。日本のアニメファンだけでなく地方自治体も気になるこんな調査結果を、東京海上日動火災保険とNTTデータがまとめた。外国人のツイッターなど会員制交流サイト(SNS)の膨大なデータを人工知能(AI)を使い分析。アニメの舞台や縁のある地域を訪れる“聖地巡礼”を目的に訪日する外国人はどこを目指すのか明らかにした。

 調査は地方創世を目的に両社が実施したもので、平成29年11月から30年10月にかけて、中国の「微博(ウェイボー)」などのSNSや、観光レビューサイトにおける外国人の書き込みを都道府県やジャンルごとに分析した。海外で人気のある日本のアニメや漫画のタイトル名を含む発言を対象に、話題量を国・地域ごとに調査。作品の舞台や関連する施設、作家に縁のある街や記念館などに関連する書き込み内容も読み解いた。

 話題トップは世界的人気ゲームから

 調査の結果、圧倒的な話題量で1位となったのは、ピカチュウでおなじみの「ポケットモンスター(ポケモン)」だった。全体の約4割を占める約217万件を集め、その話題の聖地は東京都内であることも判明した。世界的な大ヒットなったスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」の後押しもあり、ゲームイベントなどが行われる新宿駅西口の「ポケモン広場」や、グッズなどが買える都内の「ポケモンセンター」を巡礼するようだ。

 2位は忍者を題材にした「NARUTO -ナルト-」。ブラジルではポケモンを上回る話題量で、南米を中心に高い注目度を記録した。その聖地は、渦潮で有名な鳴門海峡に面した徳島県鳴門市。作品の舞台ではないが、「ナルト」と「鳴門(なると)」をかけたイベントを市や商工会議所などが商魂たくましく開催しており、日本人だけでなく外国人もつられて訪れているという。

 3位は、個性のなかった主人公がヒーローを目指して成長していく「僕のヒーローアカデミア」。舞台が未来の静岡市ということでここを聖地に見定めて訪れているようだ。静岡県は「ラブライブ!サンシャイン!!」(38位)や「ちびまる子ちゃん」(66位)などの舞台にもなっており、複数作品の聖地をまとめて巡礼するファンも多い。

 都道府県別では、公式的に作品の舞台となる地域が強く発信されている地方が上位にランクインしている傾向がある。「この世界の片隅に」の広島県や「新世紀エヴァンゲリオン」の神奈川県、「君の名は。」の岐阜県などは、訪れる外国人の熱意が強いようだ。

 話題量はアメリカが3分の1占める

 アニメについての話題量は全世界で532万3327件にのぼり、そのうちアメリカでの話題量が189万1247件で全体の約3分の1を占めた。次いでブラジル(55万7854件)、イギリス(35万4970件)、フランス(29万3289件)、スペイン(24万9031件)と続く。南米や欧州でも、アニメについての話題が多いことが分かった。

 ちなみに、この上位5カ国ではブラジルを除く4カ国でポケモンが1位となっており、地域別でも、北米、中南米、欧州、オセアニアでトップだ。

 地域別で唯一、中華圏ではアイドル育成ゲームからアニメ化された「THE IDOLM@STER」が1位となっており、アイドルや美少女ブームを感じさせるような、やや異なる傾向がみられた。

 和装で撮影できる写真スタジオが大人気

 今回の調査では、都道府県やジャンルごとの投稿数だけでなく、書き込みの言語内容までを解析。それにより、書き込み内容がポジティブ(肯定的)かネガティブ(否定的)かを判別し、話題量は少ないが高評価の観光スポットなども明らかにしている。

 近年の訪日観光客の「コト消費の拡大」が裏付けるように、外国人にとっては体験型のスポットにおける肯定的ポイントが高い。

 今回の調査でのポジティブポイントランキングのトップは、同率で7カ所がランクイン。戦国武将の本格甲冑を着て撮影できる体験型写真スタジオ「戦国フォトスタジオSAMURAI」や、「着物フォトスタジオ和」(ともに東京都)のほか、妙高高原の広大なゲレンデを誇る「妙高スノースポーツ」(新潟県)が選ばれた。意外にも、日本最北の地である「宗谷岬」(北海道)がランクインしている。

 投稿数は関西が圧倒

 一方で投稿件数では、1位は伏見稲荷大社(京都府)、2位は金閣寺(京都府)、3位は道頓堀(大阪府)と関西の観光地がトップ3を占めた。だが、「観光客で混雑しすぎている」などのネガティブポイントも多く、ポジティブ部門では選外となっている。

 また、香港や韓国、中国の近隣のアジア圏のほか、オランダやスウェーデン、ノルウェーなど北欧からの評価が比較的厳しいことも分かった。

 調査では、都道府県ごとにポジティブとネガティブな観光スポットを細かく分類しているほか、スポット間の発言相関も分析しており、外国人の周遊パターンなども分析している。観光誘致や地方創世を推進したい地方自治体は、この分析結果を役立ててみてはいかがだろうか。(経済本部 西村利也)

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