「安全保障が目的」経産相、対韓輸出規制の品目拡大示唆

 世耕弘成経済産業相は2日の閣議後の記者会見で、韓国への半導体材料の輸出管理体制の見直しについて「安全保障が目的だ」と説明し、「自由貿易体制に逆行しない」と強調した。国際ルールでは、軍需品などの移動には厳重な管理が求められている。

 世耕氏は軍事転用が可能なフッ化ポリイミドなど3品目について「韓国の輸出管理をめぐる不適切な事案が発生した」と指摘。詳細は明かさなかったが、韓国側の安保上の不備が手続の厳格化につながったと説明した。

 また、世耕氏は輸出管理体制は「不断に見直す」とも述べ、対象品目の拡大を検討することも示唆した。

 今回、輸出管理を見直す3品目は日本企業のシェアが高く、韓国への輸出も多い。このため日本企業の輸出が下押しされる可能性もある。しかし世耕氏は「把握には一定の時間がかかるが、政府として日本企業への影響は注視していく」と述べるにとどめた。

 一方、韓国側は世界貿易機関(WTO)への提訴も検討している。河野太郎外相は2日の記者会見で「わが国の規制当局はWTOルールで認められていることしかしない。提訴対象になるとは思っていない」と強調。世耕氏も安保上の問題であるとして、「WTO違反ではない」と明言した。

 また韓国が報復措置を講じる可能性について、世耕氏は「輸出管理の運用上の対応であり、これに対する報復は基本的にあるべきではない」と韓国を牽制(けんせい)。さらに今回の見直しは、いわゆる徴用工問題などに対する「対抗措置ではない」とも説明した。

 ただ、背景には、外交上の問題から日韓の信頼関係が毀損(きそん)したことがある。

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は2日の記者会見で、見直しを決めた理由について徴用工問題を挙げ、「20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)までに満足する解決策が示されず、信頼関係が著しく損なわれた」と述べた。

 菅氏は「輸出管理制度は国際的な信頼関係を土台に構築される」と指摘した上で「信頼関係の下で輸出管理に取り組むことが困難になった」と語った。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ