地銀7割が最終減益見通し 長期金利下げ圧力

 長期金利の低下圧力が強まり、地方銀行の収益悪化が懸念されている。全国地方銀行協会が12日まとめた会員63行の令和2(2020)年3月期の業績予想では約7割を占める43行が最終減益に陥る見込み。金利低下で利息収入が想定より下ぶれした場合、業績が一層落ち込みかねない。

 地銀協の笹島律夫会長(常陽銀行頭取)は東京都内で同日開いた会見で「長期金利の低下により国債運用による利息収入の減少など複数の影響が出てくる」と危機感をあらわにした。

 米中の貿易摩擦激化による景気の先行き不透明感を背景に米国の利下げ観測が高まり、安全な資産とされる国債を買う動きが広がった。償還期間が1年以上の長期国債だけでなく、より高い利回りを確保できる償還期間10年超の超長期国債でも買いが強まり利回りが低下(価格は上昇)している。

 その結果、貸出金利の指標となる長期金利と預金金利の参考となる短期金利の金利差が縮まり、利ざやが縮小。長期国債の運用でも利益を得にくくなる。

 日本銀行の大規模金融緩和による超低金利の長期化で、地銀協会員行の最終損益は平成31年3月期で3年連続の前年割れとなった。米国発の金利低下は傷口をさらに広げることになる。

 米国が利下げすれば日銀も利下げを含む追加緩和に踏み切るとの観測もある。笹島氏は「こんなに長く低金利が続くとは想定していなかった。(日銀は)景気全体に及ぼす影響をもう少し包括的に見てほしい」と訴えた。

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 長期金利 1年以上の資金を貸し借りした場合に適用される金利のこと。政府が10年間の借金をするため発行する新発10年債の市場流通利回りが指標となり、住宅ローンなど長期の貸出金利の目安になる。景気が良い時は上昇し、悪い時は低下するため、「経済の体温計」とも呼ばれる。

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