ゴルフの地位凋落 令和の経営者は「運動しない」

【経済インサイド】

 住友生命保険が全国の経営者や管理職を対象に行ったアンケートで、経営者・管理職の3割強が何のスポーツにも取り組んでいないことがわかった。平成元年の調査では、何もしていない人は24%にとどまっている。目立つのは「ゴルフ」の地位低下で、令和の経営者は平成の経営者と比べて運動になじみがない人が多いようだ。

 アンケートは今年2月、インターネットで全国の経営者・管理職1000人を対象に行われた。「現在取り組まれている主なスポーツは何ですか」との質問に対し、最も多い33%が「全くしていない」と回答した。「ゴルフ」は17%だった。

 一方、約30年前である平成元年の調査では「ゴルフ」が34%で最も多く、「全くしていない」が24%だった。ゴルフの低迷が際立っている。このほか、「野球」「ウオーキング」「釣り」がいずれも6%で拮抗した。

 ゴルフ不人気の背景には、企業の接待交際費の削減があるとみられる。元年はバブル景気のまっただ中。「週末になると取引先とよくゴルフに行った」(金融機関幹部)のが当たり前だったが、バブル崩壊後の経費削減の波でそのような姿が減った。

 実際、令和の経営者・管理職が好む運動は「ウオーキング」(30%)、「ジョギング」(14%)、「トレーニング」(11%)と、いずれもお金がかからないものだ。

 今どきの経営者・管理職気質を反映してか、企業が従業員の健康を促進する「健康経営」の取り組みを行う企業は2割に満たないことも分かった。

 健康経営については、76・9%が必要性を感じているものの、実際に取り組んでいる企業は18・4%。さらに23・1%は必要性を感じていないと回答した。「健康は自己管理」、「時間や金銭的余裕がない」などといった答えが多かったという。

 国民医療費が増え続ける中、国は生涯現役社会の構築に向けて、経営者に対する健康経営の普及・浸透を進める。従業員の健康保持・増進の取り組みが組織の活性化をもたらし、結果的に業績の向上などにつながる、との理屈だ。

 生保業界の一部も、「健康な人が増えれば保険金の支払いもその分だけ減る」として、健康経営を支援するサービスを始めている。

 中小企業を主な顧客基盤とするT&Dホールディングス傘下の大同生命保険は、健康経営のノウハウがない顧客向けに従業員の食事や運動、睡眠を管理することができる「KENCO SUPPORT PROGRAM(ケンコウ・サポート・プログラム)」を提供している。アクサ生命保険は「健康経営サポートパッケージ」と銘打ち、従業員の生活習慣アンケートから健康経営の計画作りなどをフォローするサービスを行っている。

 とはいえ、「健康は自己管理」と考える経営者には届いていないようだ。

 生保業界では、自社の従業員にスニーカー通勤を推奨したり、体操をさせたりする取り組みも出てきている。運動すれば健康になれるという訳ではないが、まずは自らがスポーツに親しむことが健康経営への普及の近道かもしれない。(経済本部 林修太郎)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ