日産、拡大路線を転換 西川体制、求心力低下も

 日産自動車は14日の決算会見で発表した事業構造改革計画で、中期経営計画の数値目標を下方修正し、カルロス・ゴーン被告が社長、会長時代に進めた拡大路線からの転換を明確にした。西川(さいかわ)広人社長は、先進技術を搭載した商品群でブランド価値を上げる戦略を柱に業績を回復させ、「2、3年でもとの日産に戻す」と強調する。ただ、2020年3月期も大幅減益の見通しで、西川氏が求心力を維持し、改革を主導できるかは不透明だ。(高橋寛次)

 日産は7月に、内容を見直した新しい中計を公表する。西川氏は「前会長(ゴーン被告)の規模拡大路線から、サステナブル(持続可能)な成長路線への転換を目指す」と説明した。

 その牽引(けんいん)役として、先進技術を搭載した独自のハイブリッド技術「eパワー」の搭載車や電気自動車(EV)などからなる「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」を挙げ、両電動車の世界販売に占める比率を18年度の4%から22年度には30%まで高める目標を掲げた。eパワーをめぐっては前後輪それぞれに大容量のモーターを入れた高性能モデルの販売も検討していることを明らかにした。

 また、先進的な安全技術「プロパイロット」搭載車については、16年からの累計販売台数が35万台だが、22年度に年100万台規模を目指す。高速道路での複数車線における運転支援システムを追加するという。

 西川氏は6月下旬の定時株主総会後も社長を続投することに意欲を示し、「負の遺産を一掃する」と強調した。とはいえ、課題である北米事業の改善は前途多難だ。19年3月期も在庫削減などを優先し販売台数を追わない姿勢を貫いたが、効果に乏しく、20年3月期も大幅な減益を見込む。

 また、日産は20年3月期の年間配当を1株当たり前期比17円減の40円にすると発表。同社株は配当利回りの高さで知られ、個人株主に人気があったが、株式市場からの視線も厳しくなるのは必至。構造改革の効果が現れなければ、ゴーン被告の否定による新路線の意義も説得力を失いかねない。

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