いわゆる元徴用工訴訟 資産売却手続きに伴う日本製鉄がコメント

 【釜山=名村隆寛】いわゆる徴用工や女子勤労挺身(ていしん)隊員だったと主張する韓国人らが日本企業に損害賠償を求めた訴訟で、原告側は日本企業が賠償に関する協議に応じなかったとして、すでに差し押さえ済みの日本製鉄(旧新日鉄住金)と不二越の韓国内の資産売却命令を出すよう裁判所に申請した。

 一連の訴訟で資産売却命令申請は初で、認められれば資産(株式)は現金化される。日本政府は「企業に実害が出れば対抗措置に踏み切らざるを得ない」と警告していたが、申請手続きに対し「極めて深刻だ」としている。日韓関係はさらに悪化することになった。

 原告側は三菱重工業が韓国内で保有する資産の開示も裁判所に求めた。両社が協議に応じず日韓の政府協議でも解決の見通しのめどが立たないことなどから、メーデーの1日に合わせて申請したという。手続き終了まで2~3カ月を要するとしており、その間にも2社に対し引き続き協議を求める方針だ。

 韓国最高裁は昨年10月末、1965年の(日韓)請求権協定では元徴用工らの個人請求権は消滅していないとし、当時の新日鉄住金に賠償を命じる確定判決を出した。日本政府は「個人請求権の問題は日韓請求権協定で解決済み」との立場で、両社はこの見解に基づき賠償支払いや協議を拒否してきた。

 一方、韓国南東部、釜山の日本総領事館前で1日、「徴用工像」の設置を訴える労働組合を中心とした市民団体が、徴用工問題について日本に謝罪を求める抗議集会を行った。集会は天皇陛下の即位に合わせ午前10時半に始まったが、参加人数は約40人という小規模なものだった。10分足らずの間に日本総領事館に向かって「日本は謝罪しろ!」と叫び続けた。

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