原発停止すれば電気料金値上げリスクも 関電などに衝撃

 原子力規制委員会がテロ対策が完了していない原発を停止させる方針を打ち出したことで、これまで5原発で計9基を再稼働させてきた関西電力と九州電力、四国電力に大きな衝撃が走った。

 原発は発電コストが安く、1基あたり毎月数十億円規模の収支改善効果を生む。運転停止となれば経営悪化は避けられず、各社は特定重大事故等対処施設(特重施設)の早期完成に向けて対応を急ぐ考えだ。

 「非常に厳しい判断。工期の遅れを最小限にとどめなければ電気料金を値上げする事態も危ぶまれる」。関電幹部はこう漏らした。

 関電は東日本大震災の影響で全原発が停止した後、高浜、大飯(おおい)の2原発4基を再稼働させた。来年8月までに美浜原発を含む6基、令和3(2021)年2月までに7基に増やす計画だ。

 しかし特重施設の完成は7基とも、設置期限から1年~2年半ほどずれ込む見通し。

 このうち高浜3、4号機はそれぞれ来年8月と10月に設置期限を迎え、以降は停止する可能性がある。その場合、収支への影響は毎月約90億円に及ぶ。

 関電は原発再稼働に伴い電気料金を2度値下げし、平成31年3月期の販売電力量は8期ぶりに増える見込みだが、来秋以降は値上げのリスクも高まりそうだ。

 関電関係者によると、規制委の審査過程で、特重施設の立地や設計の変更を迫られ、新たに山を削って造成するなどの大規模な工事が必要になった。

 この関係者は「施設の重要性は理解するが、工期遅れの責任は電力会社に一手に押しつけられるのか」と納得がいかない様子で話した。

 一方、現在運転中の九電川内(せんだい)原発1、2号機と四電伊方(いかた)原発3号機も、来年以降に順次、停止となる可能性がある。両社はいずれも「工期短縮が図れるよう最大限の努力を継続する」とコメントした。(林佳代子)

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