為替条項や消費税増税が争点に 日米貿易協議

 日米貿易交渉で米政府が求める「為替条項」は、急激な円高時に円を売ってドルを買う為替介入や、日本銀行の金融緩和による景気下支えの障害になりかねない。また、米側は輸出企業に対する消費税の還付制度が輸出補助金だと問題視しており、10月の消費税増税が批判を招く恐れもある。

 「金融政策はあくまで2%の物価安定目標実現のためであり、為替相場が目的ではない。これは国際的に認識されている」

 日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は大規模な金融緩和に伴う円安は、輸出競争力を狙った意図的なものではないと説明してきた。

 ただ、トランプ政権はこうした“国際常識”に異を唱え、中国などとの貿易交渉でも為替条項の導入を求めている。大規模緩和が米側から「事実上の円安誘導」と批判された場合、将来の景気後退時に機動的な追加緩和策が打ち出せなくなる懸念がある。

 またトランプ政権は日本の消費税にも疑念を抱く。税法の規定で輸出には消費税がかからず、輸出企業は仕入れ時に支払った消費税の還付を受けられるためだ。トランプ政権はこれが輸出企業への補助金で競合相手の米国企業が不利になっていると批判する。

 消費税率が10%に上がれば還付金も増える。米側がこれを新たな貿易障壁とみれば関税引き上げなど対抗措置を講じかねない。中国は今月、景気対策を理由に消費税に相当する増値税を減税しており、日本も何らかの対応を迫られるとみる向きもある。(田辺裕晶)

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