走る茶室 豪華“億バス”発車オーライ!

■1億円超

 クラブツーリズムは、平成19年から高級貸し切りバスを導入しているが、同社の小山佳延社長は「バスに乗ること自体が目的となる世界で1台のこだわりのバスを目指した」とその意図を明かす。手頃な料金で楽しめる日帰り観光&グルメツアーには多くの旅行・バス会社が参戦し、客の争奪戦になっている。そんななか、超高級路線で差別化を図ろうとするものだ。

 通常、44~49席の観光バスの製造費は1台約3千万円という。クラブツーリズム フアーストは「金額は非公開だが、これまでで一番の製造費がかかっている」(クラブツーリズム執行役員の村上さちえバス旅行部長)という。関係者によると1億数千万円に達したもようだ。

 公共バスのデザインを手がけたことがある水戸岡さんは「予算が限られると、似たりよったりのデザインになってしまう。今回は職人さんにも、無理をお願いすることができた」と明かす。

■1泊2日11万円

 コストは、利用者にはねかえる。「非日常の時間in伊豆」と銘打たれた1泊2日のツアーは東京の新宿か横浜をクラブツーリズム フアーストで出発し、箱根の旧御用邸「菊華荘」で昼食、伊豆の今井浜温泉で宿泊し翌日、これも水戸岡さんデザインの観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」のゴールドクラス車で戻ってくるもので、旅行代金は1人11万円。「1~2月出発の3回分は、50代以上の方でほぼ満席。3月以降の出発も引き続き企画したい」(村上部長)と人気のよう。当面は首都圏発着に限られるが、京都や大阪発着で訪日客も取り込みたい意向だ。

 「どこにもないデザイン…というより、少し変えたら最高になる“リデザイン”が私の考え。最高のバスのあるべき姿を求め完成したのがこのバス。感動体験に出会ってください」と水戸岡さん。快適走行となるか。(文化部 伊藤洋一)

 ■水戸岡鋭治(みとおか・えいじ) 昭和22年、岡山県出身。岡山電気軌道「MOMO」、富士急行「富士登山電車」のほか建築、グラフィックなどさまざまなジャンルのデザインを手がける。JR九州の列車、駅舎デザインでブルネル賞、国内のブルーリボン賞など受賞多数。

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