「スルガ銀」「地面師」「KYB」 2018不動産業界3大事件

 不動産業界は基本的にだましだまされの世界である。このような詐欺でもない限り、だまされた方が同業者に笑われておしまいとなる。昨年の夏にこの事件が発覚したとき、不動産業界はヤンヤの騒ぎだった。積水ハウスは大恥をかいたといってもいい。詐欺の手口が明らかになるにつれ、積水側の失態がいかに素人臭いものであるかまで知られてしまった。まるでコントのようなお話である。

 最後は、まだ記憶に新しい耐振ダンパー問題。報道されなくなったことで世間では忘れ去られているが、問題が解決したわけではない。

 国土交通省基準を満たしていないKYBの耐振ダンパーを使用している制震構造のタワーマンション管理組合はビクビクしていることだろう。

 大きな地震が起こらないことには、それがどのように作用するのか分からないが、基準に満たないダンパーを使用しているという事実を知られると、中古マンションとしての資産価値に影響する可能性もある。

 しかし、この問題は3年前の免震ゴム偽装事件のように、地震さえ起こらなければそのうち忘れ去られるかもしれない。

 それにしても、今年は事件が多い1年だった。脇の甘い投資家や企業がだまされる分にはさほど同情はできないが、一般人が被害に遭わないことを願うばかりだ。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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