トルコの原発建設断念へ 事業費倍増 採算難しく

 政府や三菱重工業など日本の官民連合が、トルコの原子力発電所の建設計画を断念する方向で検討していることが6日、分かった。

 トルコ北部の黒海沿岸シノップに新型軽水炉を4基建設し、平成35年に稼働を目指す計画だった。だが、東日本大震災を受けて安全対策費が上昇。総事業費が当初想定の2倍以上の5兆円規模に膨らみ、採算確保が難しいとされていた。加えて、予定地の周辺には活断層があるとされ、政情不安や現地の反対運動も懸念材料となるなど、計画通りの稼働は厳しい情勢だった。

 建設を担当する三菱重工は、トルコ通貨リラの大幅な下落なども重なり、総事業費の見直しを進めるなどしてきたが、建設後の売電価格や資金計画などで折り合わず、トルコ政府との調整が難航している。すでに伊藤忠商事は3月、コスト増などを理由に計画からの離脱を決めていた。今後は、原発の代わりに再生可能エネルギーや高い効率の石炭火力発電所を建設する案も検討される見通し。

 トルコへの原発輸出は25年に政府間で合意。日本政府のインフラ輸出戦略の目玉と位置付けられていた。

 世耕弘成経済産業相は4日、閣議後の会見で、トルコの原発建設計画の実現性が不透明となっていることに関し、「(トルコ政府と)協議を行っている最中で、何らかの決定が行われた事実はない」と説明した。

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