米国でのビジネスに影響の懸念も 挺身隊・徴用工判決

 韓国最高裁が新日鉄住金に続き、三菱重工業に対しても損害賠償の支払いを命じる判決を確定させた。日本政府は同様の訴訟を抱える企業に賠償に応じないよう結束を求めているが、原告側が、米国など第三国にある資産の差し押さえを求めて訴えを起こす懸念もある。問題が日韓両国を超えて広がれば、日本企業の海外ビジネスに理不尽な形で水が差されかねない。

 三菱重工グループが韓国内に構える拠点としては、完全子会社の三菱重工コンプレッサが三菱商事との合弁で設立した現地法人と、火力発電事業を展開する三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の現地法人がソウルにある。

 ただ、両法人は韓国での営業活動やアフターサービスを担う小規模な組織で、生産拠点などは設けていない。三菱重工も「訴訟対象と別法人の資産を差し押さえることは、考えにくい」としている。

 一方、韓国・中央日報は新日鉄住金への判決をめぐり、損害賠償を確保する上で「売上債権を差し押さえるのが最も簡単な方法」との見方を報じた。また原告側弁護士は、韓国外に保有する資産の差し押さえに動く構えを示している。

 日本の裁判所で資産差し押さえが認められる事態は考えにくいが、日本企業が多くの資産を持つ米国などで人権問題にからめて訴訟を起こされた場合、訴えに応じる判決が出る可能性は否定できない。

 すでに、「韓国への投資やビジネスを進める上での障害になりかねない」とする経団連などの指摘は現実のものとなりつつある。両国の商工会議所が今月12、13日に開く予定だった首脳会議は、新日鉄住金への判決を議題とすることに韓国側が応じず、中止された。

 問題がさらに第三国にまで波及するかどうか、予断を許さない状況だ。

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